このような経緯から、101 キーボードを物色することになるのですが、 当時(94年秋頃)の同僚が「今度、面白いキーボードを見つけてきた」と言って MS-Natural Keyboard を紹介してくれました。 見ると、デッカイ図体の左右半分に分割配置されたキートップ。 こんもりと盛り上がった丘状の斜面にキーが配置されていると言った感じです。 Microsoft のやることですから、あまり好印象は持てなかったのですが、 使ってみるとキーが適度に固く、ストロークも長め。良いじゃないですか。 タッチタイピングの出来ない私は最初、丘越えでキーを打とうとして 指が届かずに焦ったこともありましたが、今は左右分業(本来の割り当て) でタイプできています。慣れると丁度、曲率半径 r の大きな球体の上に 手をおいてタイプしている感じで、脇も広げられるのでこれも好都合です。
# 当時、Super ASCII の表紙にもなっていましたね。
このキーボードに付属してくるマニュアルには、キーボードの機能だけでなく、 姿勢や机の配置に関する情報も写真入りで載っています。
一般的なキーボードの場合、キーボードの向こう側を持ち上げられるように、 折り畳み式の足が付いていると思いますが、Natural Keyboard の場合はその逆で、 手前を持ち上げることが出来るつっかえ板が付いています。 手前を持ち上げるかどうかは個人の好みで選択できますが、 私は持ち上げて使っています。この手前を持ち上げると言う形態も 最初はなじめないかもしれません。
次に驚いたのは、キーボード手前に出っ張ったパームレスト状のところには 手を乗せずに、浮かせた状態で利用することが推奨されていることです。 ただ、残念ながら私は浮かせた状態で長時間の入力作業はきついので、 ベタァと手を置いて、使っています。浮かせることを前提としているのなら、 このような広い広場を手前に付けておく必要もないようにも思うのですが...。
と言うことで気に入ったので、発注しました。当時はまだ輸入品を扱っている 互換機屋さんでしか手にいれることが出来ませんでしたので、 納入業者にもいろいろと無理をお願いしたことを覚えています。
届いたブツは当然輸入品で、マニュアルから登録ハガキまで全てアメリカ向けに なっていました。
一方、96年夏に新しい職場でもう一台のマシン用にと購入したものの パッケージを開けてビックリ。マニュアルは各国語化されており (7ヶ国語、残念ながら日本語はない)、登録ハガキはマイクロソフトの 日本支社宛になってました。
また、マニュアルには、利用環境から姿勢、目のことまでチェックリストが 用意されていてキーボードのマニュアルという範疇を越えているようにも思います。
一つ目は、「made in USA」、二つ目は、「made in MEXICO」でした。マニュアルの印刷は両方ともアメリカのようですね。
このキーボード、キーの固さとストロークの長さ以外にも お勧めできる点があります。 というのは、Solaris 2.5.1(x86) で運用している DELL GXMT5200 に接続して使っているのですが、xbiff++ (電子メール到着通知プログラム)で メールが到着すると、 ビープ音と共にキーボード中央の一番下の LED が点灯します。 メールを読み終えて xbiff++ の旗が寝ると LED も消灯します。
CRT のパワーマネージメント機能を使っていると、一定時間使わないと ブラックアウトしてしまって、メールが来ているかは CRT が再点灯するまで 判りませんが、このキーボードの場合は、LED が点灯しているかを見れば 判断できるので、むやみに CRT を再点灯させる必要もなく重宝します。 Win95 でこれに類似のことができるかは知りません。