Walking on Tokyo

第3回 : 渋谷から銀座まで -- 山手線横断 --


実施日: 10/19/96 10:30〜19:00 (所要時間 8:30) 距離: 約12Km



久々に時間が取れたので Walking on Tokyo を行なった。前日、私は非常勤 講義の準備に追われていたので、プラン作成を U 氏にお願いして作ってもらっ た。以前から思い付くたびに案をプールしていっている。現在のところ、10ほ どたまっただろうか。今回は「山手線内横断」と「浅草周辺」が候補に上がっ たが、前者にすることにした。

山手線は環状線だが、縦長なので横方向はそれほど長くない。今回の計画は 渋谷から新橋を経由して銀座、日本橋までなので、横断と言うよりむしろ貫通 のような行程である。それにしても今回は見るところが盛りだくさんであった。 このレポートも長めになるであろう。

U 氏からは 10:00 に渋谷のハチ公前(正確には右足前。だがそこまで厳密な 特定が要るかは疑問)を指定されていたが、私が原宿のスポーツ具店に寄って スキーブーツを見たかったので、10:30 集合に変更してもらった。

10:00 に原宿に着くと、駅前のオッシュマンズに飛込んだ。何と列ができて いる。係りの人に聞くと、招待券を持った人だけに、スノーボードの部品を売っ ているらしい。通常の開店は10:30 で、かつ、スキー用品は置いてないという。 がっかり。時間が余ってしまった。

仕方ないので、渋谷まで行った。東口に三省堂があるらしいことを思い出し たので、時間潰しに散策することにした。確か東急文化会館の中だったと思っ たのに、ビルの外壁にはそれらしい看板がかかってない。このビルには映画館 が何館か入っているらしく、今日封切りの映画に長い列ができていた。整備の お兄ちゃんに聞いたところ、このビルの 5F だと教えてくれた。駅西口にある 紀伊国屋渋谷店には金曜日に行ったのだが、UNIX 関係の書籍コーナーがなく なっていた。どうも新宿に大きな店舗を出した影響ではないだろうか。ますま す魅力のない本屋になってしまった。さて、東口の三省堂は、紀ノ国屋よりフ ロアーは狭いが、UNIX 関係のコーナーがちゃんとあり、計算機のコーナーも 同等ぐらいかな。と言うことで、新宿に行くのが面倒なときには、三省堂に来 るのも手かなと思って店を後にした。

10:20 過ぎにハチ公広場に行くと、もう U 氏は来ていた。本日のコースを 地図で確認して、ハチ公の横に立ち記録写真を電子カメラで撮った。そう、今 回は電子カメラ(リコー DC-2L)がお共することになっている。さて、どんな画 像を残してくれるだろうか。そうこうしているうちに、ハタと気付いた。周り が何やら騒々しい。のぼりを持って立っている人もいる。なるほど、翌日の選 挙のために宣伝カーが選挙演説をしているのだった。天気も良く気温も高くな いので散策をするに良い日になりそうだ。

最初の目標は、西麻布である。そこまでは六本木通りを歩くことになる。こ の通りの真ん中には首都高速3号線が走っている。実は私は以前この通りを歩 いたことがあった。と言うのは、渋谷からこの道沿いに15分ぐらい行ったとこ ろに航空専門ショップがあるからだ。ただ、その時は定休日(木曜日)で無駄足 であった。今日はどうかなと覗いたところ、初老のおばさんと青年が店番をし ていた。10畳ほどのマンションの一室に所狭しと商品が並んでいる。エアライ ンパイロットのスーツを着たマネキンや航空自衛隊と思われる格好のマネキン もいる。マニア的なものから操縦に必要な器具まで幅広く取りそろえられてい る。で、お客がいないせいかこのおばちゃんが各商品について丁寧に説明して くれる。落ち着いてじっくり見るという雰囲気でないことだけは確かだ。アイ ズチも打たずに聞いているのも悪かろうと少し質問等をするとこれまたたくさ ん教えてくれる。関東に引っ越してきたので「区分航空図の古いのはない? (最新版は定価販売)」と聞いたところ、始めて青年の方が、あったかも発言し て探してくれた。残念ながら「東京/成田」しかなかったが、これを買うこと にした(1000円)。他に、「YS-11 台風飛行」と言うCD(1800円) とワッペンを 2つ(310円+500円)買った。前者の CD は、鹿児島 ===> 奄美大島 の YS-11 の フライトドキュメントだが、録音状態が悪い部分もあり、また、必要以上にナ レーションも入っているので、交信内容が聞きにくい。台風の中のフライトと いう緊張した雰囲気は伝わってくるが、はしょられている部分も多く、若干物 足りなさを感じる。ワッペンは、私の小さい頃の ANA のマーク(ダビンチのヘ リコプターを模したもの)があったので、懐かしくなって買った。もう一枚は 777 のもの。お客さんは主に土曜日・日曜日に来るとのこと。今日はこれから にぎやかになるのであろう。気が向いたらまた来ることにして、店を出た。U 氏にはちょっと違和感があったかもしれない。

スタートから、荷物を買込んでしまった。この通りには、青山学院大学や富 士フイルムの本社もある。西麻布の交差点を右折(南進)すると広尾駅に行くこ とができる。統数研も近い。交差点には以前、O 先生と夕食を食べた焼き肉屋 もあった。我々は左折(北進)して青山霊園に向かう。青山というスマートなイ メージと、霊園という響きから、キリスト教の墓地かなと勝手に想像していた が、実際は日本的なお墓が集合している場所であった。道路も整備されており、 桜並木もある。春にはお花見もできそうだが場所柄、実行する人がいるかは不 明。U 氏は電子カメラでも心霊写真が撮れるかと実験をしているようだった。 この横には、青山葬儀場は勿論、日本学術会議や東大生産技術研究所、衆議院 議員宿舎がある。

静かな通りをなお北進すると、大きなツインビル(新青山ビル)があらわれる。 街の雰囲気も心なしか明るくなる。程なく左手にホンダ本社ビルが出てきて、 青山一丁目である。ビル前の広場は新車の展示場でもあるらしく、最近バスケッ トボール選手を擁したコマーシャルで見る小型車も展示されていた。私も乗っ てみたが頭はつっかえなかった。乗ったところを電子カメラに納めた。ここを 右折(東進)して青山通りに沿って歩く。道路の向うは赤坂御用地が続いている。 赤坂郵便局とカナダ大使館を過ぎたところに高橋是清記念公園がある。2・26 事件で暗殺された大蔵大臣の屋敷跡である。日本庭園や石灯籠があり落ち着い た雰囲気であった。さらに進むと赤坂警察署、羊羮のとらやの本店がある。

この先、右側に一ツ木通り、みすじ通り、田町通りがあり、赤坂の繁華街と いうことで、高級料亭が並んでいるのであろうと期待して歩いてみたが、それ らしい雰囲気の店にはあまりお目にかかれなかった。探し方が悪いのであろう か? それとも、別の場所に大挙して並んでいるのであろうか? 通りを抜けた ところが地下鉄の赤坂見附駅である。ここは見覚えがあった。94年に統計学会 が行われた都市センターの最寄り駅だったからである。これでまた一つ点が線 としてつながった。時刻も丁度 12:00 になったので、それほど高級でない日 本料理屋で昼食を食べ、午後の計画を立てた。

都市センター方向は単に道路のそばを歩くと言うことと、ガイドブックにこ の周辺が載っていたので、山王日枝(ひえ)神社を見ていくことにした。神社は 丘の上にあり、西側から上る鉄板製の階段は昼食直後の体にはきつかった。神 社内は落ち着いた雰囲気でチャボが境内を闊歩していた。どのような意味があ るかは解らないが、大きな太鼓を間欠的に打ち鳴らす場面も目撃できた。

この神社の正門を抜け、山王坂を上ると、国会議事の三角お屋根が少しずつ 坂の向うに上ってくる。坂を上り詰めたところが国会裏。国会内には郵便局も ある。右手に参議委員会館。その南側に首相官邸あるらしいので見に行くこと にした。組閣の時などに TV で見る首相官邸は思ったより小さい。むしろ狭い のではないかと心配してあげたくなってくる。官邸と言えばネットワークアド レスも持っているので、ここに回線が来ているのであろうか? 坂を上った辺り から立っている警察官にたくさん出くわすが、電子カメラで官邸を撮っている と案の定、寄ってきて質問される。 気の良いおじさんであった。まあ、大変な 仕事であろう。官邸のシンボルがフクロウで、屋根の煙突にそのモチーフが付 いていることや、近くの観光スポットなどを教えてくれた。今日は選挙前日と いうことで主は居ないとのこと。まあ、当然でしょうね。狭い官邸の外を一周 してみたくなり、道筋を教えてもらった。回ってみて判ったのだが、建物自信 は小さいが、坂の下には何やら工事現場と、坂のノリ面があり、歩いて回るに は10分ほどかかる。外周の途中には詰め所があり制服か私服の警察官が立って いる。

再度、先ほどの警察官に礼を言って国会議事堂の正面に向かった。国会議事 堂はでっかい。左側が衆議院、右側が参議院。安定感のある例の風貌は生で見 ると迫力があり重厚さが伝わってくる。正門前で記念写真を撮って、北側の国 会図書館に向かう。我々のドクター論文まで収蔵してくれているのでどのぐら い大きいのかと思っていたが、意外と小さい。収蔵庫は地下にでもあるのであ ろうか? 6階建ての建物の最上階には食堂も入っている。 この図書館は閲覧し た書籍を依頼すると係員が出してくれるシステムになっている。貸し出しはな く、閲覧室で読む/コピーするだけである。利用パンフレットをもらってきた。 この建物の東側にあるのが、社民党本部である。土井さんも居ないんでしょう ね。道路を北側にわたると最高裁判所と国立劇場が皇居を望むように順に建っ ている。劇場の出し物が何かは知らないが、今は公演中なのか外を歩く人もそ う多くなく、しかも年輩の女性が多い。

ここの縁台を拝借して、この後の作戦を立てた。皇居の中も魅力的ではある が、ここを通るには、なお20分ほど北進して田安門まで行かねばならず、大回 りになりそうだったので、お堀沿いに南側に回り込むことにした。この辺りの お堀は結構深く、また、幅も広い。ちょっとしたダムを見ているような感覚に 陥る。 雑草を刈った直後のようで、お堀から吹き上がってくる枯れ草の香りを 含んだ風が心地良かった。この外周道路を使ってマラソン大会が行われている らしく、ゼッケンを付けた人が我々を盛んに抜かしていく。警視庁を右手に見 て桜田門まで来たので、皇居前広場まで行くことにした。桜田門でランナーを 応援している女性が電子カメラ(リコー DC-1)を手にしていた。普及してきて いるのであろうか?

皇居前広場は東京観光の定番である。私も小学生の時に一度来た記憶がある。 そういえばその時行った東京タワーにはまだ上ってない。玉砂利を踏みしめて めがね橋と二重橋のところに進む。 たくさんの人が思い思いに写真を撮ってい た。我々もそれに加わった。内堀通りを隔てた広場にある楠公の銅像のところ を周り、日比谷公園の中を通って新橋駅に向かった。日比谷公園の中には整備 された花壇や噴水があり、周りにはベンチも配置されていて西欧の貴族の住ま いの中庭と言った雰囲気があった(ただ、少し狭いが)。周りには高い木も立っ ているので、オフィス街のど真中という感じは全くしない。野外音楽堂ではラ イブが行われているらしく、重低音が響きダフ屋さんがチケットを勧めてくれ た。その横に日比谷図書館があるのも不可思議だ。勉強になるのだろうか。図 書館前の歩道にオブジェのようにトレッキングシューズが置いてあるのも面白 かった。図書館と道路をはさんで反対側には、見るからに不安定そうに見える (上の方が太い)長銀ビルがある。日比谷通りを南進して日比谷シティの広場で ウインタースポーツ用品の特売をしていた。ウエアー等はあったがブーツはな かった。その斜め前が航空会館。 ここは航空関係の IATA 等の事務所が入って おり、5F には航空図書館がある。また、裏手の 2F にはホーブンと言う航空 専門店がある。相変わらずここは静かな店で、午前中のところとは対照的であ る。以前より書籍類の品揃えが減ったようにも思った。

JR 新橋駅のガードをくぐって銀座に向かう。中央通りに入ったところで、 カネと太鼓の音が聞こえてきた。見ると歩行者天国になっており、銀座一帯の お祭りのようである。車道の真ん中にはビーチパラソルも立っており、ビール 等も飲めるようである。しかし、二人とも最初に興味を持ったのは、おもちゃ 屋だった。3F では、U 氏の所有している室内ヘリコプターの操作解説ビデオ が上映されていた。二人して最後まで見てしまった。あのヘリは安定して飛ば すのは相当難しいという印象だけが残った。その他に U 氏が引き付けられて いたのは綱渡りをするヤジロベイ式の一輪車人形だった。モーターで、綱を上 下させるとリアルにペダルをこいで往来する。人形は売り物だがモーター類は 非売品で、自作可能かをずいぶん悩んでいたようである。一方、私は、久々に 大トトロの大きいヤツに再会できた。が、展示されていたものは髭とかが今一 歩であった。その前ではビデオも上映されていたので、嬉しくなって見入って いた。場面は丁度、ススワタリがメイチャンに捕まるところだった。それ以外 に収穫と言えばピーターラビット以外に彼の姉妹(兄弟?)のぬいぐるみがある のを発見したことである。私はマシン名にこの家族・親戚の名前を付けている ので、夢としては、それぞれのマシンの上に飾ってやりたいと思っているが、 一体 3800 円もしたら、全てをそろえるのはチト金銭的に痛い。この店にはい ろいろなおもちゃがあるので、人へのプレゼントを考える場合も役に立ちそう である。

さらに中央通りを北進すると、YAMAHA があった。U 氏は興味深そうにいろ いろと電子楽器を眺めていた。この頃になると日も落ちて、銀座のイルミネー ションがきれいに映えるようになっていた。その中を進んで文房具の伊東屋に も寄った。もうカレンダーフェアーが始まっていたので、いつも買っているシ ンプルなもの(250円)と首都圏交通ネットワークが配されたもの(390円)を買っ た。後者は昨年も買おうかとも思ったのだが、首都圏の交通図を買ってから職 場が首都圏に移らなかったらと思ってやめにした経緯がある。交通に不馴れな 私には重宝しそうな図である。その他、このビルを順に巡りながら各種文房具 を見て歩いた。近々結婚パーティのある知人用にメッセージカードも買った。 他にはそれほど目新しいものは発見できなかった。伊東屋にはこのビル以外に 紙を扱ったショップが 2 つあるので、そのうちの一つにも寄った。U 氏は来 年に在研に行くので、そのおみやげとして和紙類で手頃なものはないかと物色 しているようであった。

首都高と中央通りが交差する京橋のところに交番があるが、この横には石の 柱のようなものと説明ボードが立っている。以前はその場所には川があり、京 橋そこにかかる橋の名前だったそうで、時代とともに変化した欄干が道路の向 うとこっちに立っているのだった。さらに、北進してブリジストン美術館、八 重洲通りを過ぎ、日本橋の丸善書店にたどり着いたのが18:30ごろ。U 氏は在 研の滞在地の地図を買っていた。bit が平積みされていたので手に取ったが、 えらく薄くなった印象を受けた。どうしたのだろう。記事としては 「Information System '96(IS'96)」と言う、大学の情報システム関連学科で 教えるべき教科内容の策定に関する答申(アメリカのもの)が紹介されていた。 全部を読んだわけではないが、あまり強い方向性を示せずにいるようだった。 また、基本教科として統計が含まれているようであった。

丸善には閉店まで(19:00)いて、東京駅に向かった。途中、ゲームセンター に有名な飛行機の着陸ゲームがあったのでやってみたが、機体の速度が遅く着 陸前にゲームオーバーとなってしまった。残念。

中央線で新宿に戻り、ホームで雨が降り出したことを知った。雷も鳴ってい た。ビルの通路をうまく利用して雨に濡れることを最小限に、以前入れなかっ た飲み屋に行って今日の疲れをいやした。

今回の Walking は 12Km 程度、8時間半であったが、ファンシー商品から国 会までと、今までの中で一番多彩であったように思う。また、国の三権を順に 見られたという意味でも印象に残りそうである。その分、警官にもたくさん会っ たが。また、今まで点として存在していたところが順につながっていったと言 う意味でも有意義であった。私的には、航空関係で始まって航空関係で終わっ たとも言えるかも知れない。なかなか実り多い散策であったことを確認し、 また次なる企画を行うことを約束して 22:00 のオーダーストップを前に帰途 につくことにした。

店のドアを開けると雨はウソように上がっていた。


最終修正日 : 1996年10月

Atsuhiro Hayashi (hayashi@rd.dnc.ac.jp)
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