自転車、サイクリング(作業中)


中学、高校と6年間一貫教育の私学に通ったのですが、 住んでいる町からチンチン電車で40〜50分かかるという遠方にありました。 しかも田舎ですから、電車の本数は少ないし、雨が降ると余計ゆっくり走るし...。 と言うことで、余裕をみると1時間は必要でした。

せっかちでもある私は、このユックリズムに納得できなかったので、 中学1年の夏前から自転車で通うことにしました。 幸い近くに片側2車線のバイパスがありましたので、その車道左端を走ります。 片道12.5Km 程。30分ほどで通えます。信号もあまり気にしませんでしたし。 夏と冬は少し辛かったですが、気候の良いときは快適でした。 自然を感じて通学ができました。 しかも、自分の希望の時刻に出発できて、所要時間も少なく、 電車賃も要らないのですから。 学校の近所の街の本屋を周遊するのにも便利でしたしね。 これほど快適な通学方法はないと思いました。

しかし、当時、このような通学方法を取る友だちはいなかったので、 結構奇異に見られていたようです。はい、パイオニアでした。 でも、その後、私の近所でも自転車通学が一般化したようです。 どうしてこのような発想をする人が今までおられなかったんでしょうね。

通学に使うということで、自転車は買ってもらいました。 たまたまサイクリング自転車を扱っている店に行ったら、 私の体型(手が長い)にベストフィットの26" ランドナーがありましたので、 これを買ってもらいました(8万円程)。ワインレッドのフレームに キャンピング用の金具を付けていました。輪行バッグも買ってもらました。

さて、同じバイパスを通って、通勤されている担任の先生がおられたのですが、 私の家の近くで抜かれても、学校に着くのはそれほど差がないか、 1回だけ確実に勝った(?!)こともあります。自動車は信号があるのと 田舎といっても通勤ラッシュがあるので、市街地はゆっくりにならざるを 得ないからです。自転車は郊外では40Km/h 程度、市街地でも 25Km/h 程度では 走れますから、このような珍現象が起るのです。

一日、最低25Km は走るのですから、太股が太くなりましたね。 ズボンが入りにくくなる。ウエストのサイズより太股周りが 入るかを先にチェックしないといけない。結構大変でした。

このように自転車に乗るのが好きでしたから、学校のサークルに入ったりして いろいろなところに行きました。初日の出を見に行ったり、 遠足の現地に直接乗り付けたり。このような経験から、 大体、どのくらいの距離をどのぐらいの時間で走れるかの 推定は出来るようになっていました。郊外の平地の走行なら、 30Km/h で算出しておけば、大体の場合あまり外れません。 距離を倍にすると分単位の所要時間が計算できるという経験則も 身につけました(つまり、平均時速が 30Km/h)。

今考えても不思議なのですが、高校1年の年末(つまり高校2年になる直前)に 「正月をサイクリングですごそう」と思い立ち(理由不明)、 大晦日にフェリー泊で大阪南港に入り、元旦から紀伊半島を一周したことが あります(約4日間)。で、大阪からそのまま戻るのもしゃくだった(?)ので、 またフェリー泊で松山に行き、四国山脈を越えて帰ったことがありました。 延べで700Km 程走ったように記憶しています(うろ覚え)が、楽しい一人旅でした。 この時期は日が短いので、朝7時頃から走りはじめて、夕方17時頃から宿を 探しはじめて18時には宿に入るようなパターンでした。 一日平均10時間、200Km 以内が私のこの頃の限界でしたね。 田辺、尾鷲、津 と順に泊ってまわってきました。

他にも、朝出て夜に帰ってくる旅程や、夏は暑いので、夕方出て 夜中中走って、昼過ぎに戻ってくることとか、いろいろやってました。

でも、就職してからは車もありましたので、自転車で走ることは もうほとんどなくなり、思い出深い自転車も錆びだらけで使い物にならなくなって 大ゴミの日に廃棄されてしまいました。

何か寂しいイメージになってしまいましたが、 サイクリングは自然を感じることができるのは勿論のこと、 風向きも敏感に感じ取れますし、町の雰囲気も判りますので、 楽しい乗り物だと思います。

最終修正日 : 1997年4月

Atsuhiro Hayashi (hayashi@rd.dnc.ac.jp)
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