デバッグ、データ転送、ファイルからの読み込み

統計解析 06 クラス : 第04回 (10/28/04)

 前回は SAS を使うための操作方法やコマンドを中心に説明を行った。 今回は、SAS のプログラムについて構成を解説すると共に、 データをファイルから読み込んで実行する方法を、 プログラムの修正方法を含めて紹介する。
  1. プログラムの構成とその出力結果 : 前回 の演習内容
    1. プログラムの読み込み :
      Program Editorエリアのコマンド行で : [入力] INClude 'les0301.sas'

    2. プログラム : Program Editorエリア : les0301.sas
      • はじめてのプログラム : 右側は説明用。プログラムは左側のみ。
      • 3つのパート : コメント部、データの定義(data部)、緒処理の実行(proc部)
      • コメントは後々のために入れる習慣を付けよう
      • ブランク(段下げ)や空行は無視されるが見易さのために入れよう
      • 各行は(基本的に)セミコロンで終わる
      • (基本的には) proc コマンド(procedure)ごとに出力が得られる

      • [注意] データ名や変量名は8文字以内で (判りやすい)名前を付けること。以下の例で言えば、データ名は「kenshin」であり、 変量名は「name, height, weight」のことである。
     /* Lesson 3-1 */                             : コメント、実行に無関係
     /*    File Name = les0301.sas  10/14/04   */ : 後々の記録のためのメモ
                                                  : 見易さのための空行
    data kenshin;                                 : データ名の定義
      input name $ shintyou taijyuu;              : 読み込む変量名、型($は文字型を示す)
    cards;                                        : データの始まりを示す
      Ochiai      178  80                         : Case 1
      Wakamatsu   168  76                         :      2
      Horiuchi    177  72                         :      3
      Okada       175  77                         :      4
      Yamamoto    183  92                         :      5
      Yamashita   175  90                         :      6
    ;                                             : データの終りを示す
    proc print data=kenshin;                      : 読み込んだデータの表示
    run;                                          : 上記の実行
    proc means data=kenshin;                      : 平均値等の算出
    run;                                          : 上記の実行
    
    1. 実行してみよう
      Program Editor エリアの「コマンド =>」の右にカーソルを移動させて「SUB」

    2. 出力結果 : Output エリア : les0301.lst
                                    SAS システム                             1
                                              09:58 Thursday, October 14, 2004
      
                       OBS    NAME        SHINTYOU    TAIJYUU
      
                        1     Ochiai         178         80  
                        2     Wakamats       168         76  
                        3     Horiuchi       177         72  
                        4     Okada          175         77  
                        5     Yamamoto       183         92  
                        6     Yamashit       175         90  
      
                                    SAS システム                             2
                                              09:58 Thursday, October 14, 2004
      
        Variable  N          Mean       Std Dev       Minimum       Maximum
        -------------------------------------------------------------------
        SHINTYOU  6   176.0000000     4.8989795   168.0000000   183.0000000
        TAIJYUU   6    81.1666667     8.0601902    72.0000000    92.0000000
        -------------------------------------------------------------------
      
    3. 計算結果 :
      1. 読み込んだデータの表示 : proc print
        • 縦方向にケース、横方向に変量
        • 左端にケース番号(Observation)
        • 入力が期待通りかを確認 : 数値のずれ、異常値、...
      2. 平均値等の算出 : proc means
        • 各変量ごとのサンプル数、平均、標準偏差、最小値、最大値
        • 小サンプル時の注意 : 各統計量に意味があるか?
      3. 有効桁数に注意せよ : どこまでが「意味ある桁」か?
        [重要な注意] 統計ソフトは単なる道具。使いこなすのは各自。
        [蛇足的例1] 日本の観測史上の 最高気温は、1933(昭和8)年7月25日に山形市で観測された40.8度であり、 最低気温は、1902(明治35)年1月25日に北海道旭川市の-41度であった。
        [蛇足的例2] 2001年のイチロー選手の打率は3割5分であった。

    4. デバッグ : 実行時にエラーが出なければ良いのだが...
      • Outputエリアに期待した結果が表示されているのなら正常だろう
      • エラーがあれば Logエリア(les0301.log)に表示される
      • 綴りミスはある程度修正されるが、致命的なミスの時は実行が中断される
        1. 画面が三種類ある : Program Editor, Log, Output
          必要に応じて各エリアを行き来する。コマンド行で。
          1. Program Editorエリアへ : PGM : プログラムの作成
          2. Logエリアへ : LOG : 実行過程の記録(ログ)
          3. Outputエリアへ : OUTput : 計算結果、出力
        2. プログラムのエラー個所を Logエリアで確認
        3. Program Editorエリアに移って該当個所を修正
        4. 再実行しエラーがなくなるまで修正を繰り返す
      • エラーの例 : Logエリアに実行結果が表示される
        1. セミコロン忘れ
        2. コメントの終了ミス : /* ... */
        3. つづりミス : plint, ran, ...
        4. 変量名の順や個数、タイプ($ マークの位置)
        5. データファイルの内容が記述(or 予想)と異なる : 出力で確認
        6. マウスを使ったことによるノイズの混入
        7. ...

    5. 入力したものを有効活用しよう : 修正したら。完成したら。
      • 保存 : 自分のホームディレクトリに判りやすいファイル名で保存。
         Program Editor エリアのコマンド行で。
         [例] file 'les0301.sas'
      • 注意 : 既に同名のファイルがあったら、警告が発せられる。
        「上書き(REPLACE)」、「追加(APPEND)」、「中止(CANCEL)」の中から一つを選ぶ。

    6. SAS を使う上での基本
      • マウスは使えない : stat システム上に SAS がある
      • 3つのエリア : それぞれに目的や使い方がある
      • エラーがあれば Log エリアで確認する
      • 保存と読み出し : プログラムの有効利用

  2. データをファイルから読み込んで使うには... : プログラムとデータの分離
    1. データを電子化する : Excel 等で ===> 第3節
    2. ファイルを stat システムに転送する : FFFTP 等で ===> 第4節
    3. 転送が期待通り行なわれたかを確認する ===> 第5節
    4. データをファイルから読み込むように SAS プログラムを記述する ===> 第6節
    5. SAS プログラムを改良する ===> 第7節、第8節

  3. データの電子化 : 前回の配布資料 も併せて参照
    取り扱うデータが長方形(表形式)をしているので、表計算ソフトと呼ばれるアプリケーションを利用するのが便利である。 ここでは、Microsoft Excel を例に実際に電子化の手順を説明する。 なお、Excel のより詳しい使い方については、 「PC・ネットワーク利用ガイド」や市販の書籍を参考にしてほしい。
    1. Excel の起動
      「スタート」→「プログラム(P)」→「Microsoft Office」→「Microsoft Excel」とクリックする。

    2. データの入力
      表示された枠に「表形式」と呼ばれる並び(縦:ケース、横:変量) で順にデータをキー入力していく。なお、実習では半角英数字のみを取り扱うことにする。
      • カーソルの移動には、「Tab」キーが便利である(右方向へ移動)。 縦方向の移動には「Enter」キー。矢印キーやマウスで移動させることもできるが、 次変量の入力のための移動にこれらのキーを使うと入力スピードが遅くなるので得策ではない。
      • データの電子化のためには、コード化も必要になることがある。
        • 「男/女」を「M/F」等と置き換える等。
        • 欠測値(欠損値、不明)データには「.(ピりオド)」を入力。 : データ採取は難しい!!

    3. データの保存(その1: Excel の標準形式で) :
      Excel にはいくつかの保存形式があるが、 今回は Excel の標準形式(*.xls)で保存する。 「ファイル(F)」→「名前を付けて保存(A)」で保存できる。 ドライブ名やファイル名を指定し、「保存」をクリックする。 なお、「ファイルの種類」の項は「Microsoft Excel ブック(*.xls)」と なっていることを確認しておく。
      [補足1] stat システム(UNIX)では、 漢字のファイル名や空白を含むファイル名は取り扱いが面倒なので、 「スペースを含まない英数字で」ファイル名を付けることを勧める。

      [今回の講義までに行なってある作業] : この Excel 標準形式でのデータの保存を、 今日までに完了しているものとして講義を行なう。 今後の説明を簡単にするために、ここでは、ドライブ名に「H:」、 ファイル名に「naikaku0310」を指定し、 H ドライブに「naikaku0310.xls」と言うファイルが 作成されているとして話を進める。

    4. 項目の右揃え
      SAS は空白(スペース)を区切り文字として、 テキストファイル(文字で記録されたファイル)からデータを読み込むことができる。 つまり各項目間には空白を入れておく必要がある。 しかし、氏名や性別、また欠損値を示す「.」 は Excel 内では 「文字型」と判断されてデフォルトでは「左寄せ」で出力されてしまい 左隣の項目(数値)と引っ付いてしまう。 そこでこの現象を回避するために全ての項目を「右揃え」してから 保存するようにしておく。
      表の左上の何も書いていないボタンをクリックすると「表全体」 が選択されて反転表示されるので、この状態で「右揃え」ボタンを押す。
      また、今回の例では発生しないかもしれないが、 項目一つあたりの入力文字数の多い(つまり長い)項目の場合、 隣のセルの項目とくっついて表示されてしまうことがある。 そのような場合は、列の幅を余裕を持って大きくして隙間を空けておく。

    5. データの保存(その2: テキスト形式で) :
      Excel の標準形式(*.xls)で保存すると、SAS では利用できないので、 テキスト形式で保存する。 「ファイル(F)」→「名前を付けて保存(A)」で保存ができる。 ドライブ名やファイル名を指定後、 「ファイルの種類」の項に対して「テキスト(スペース区切り)(*.prn)」を指定する。
      保存を指定後に、「選択したファイルの種類は複数のシートを含むブックを サポートしていません」等のメッセーが出る場合があるが、無視してよい。

      [Lesson 4-1] : データの保存 : 演習で入力したデータを SAS で使うことを考慮して テキスト形式で保存せよ。
      この後の説明を簡単にするために、ここでは、ドライブ名に「H:」、 ファイル名に「naikaku0310」を指定したとして説明を進める (naikaku0310.prn)。

    6. Excel の終了
      • 終了する際に警告が出るが、無視して良い。
      • この警告は、最後に保存した形式が Excel 標準形式でなかった場合に 「データ全部を保存していない」と認識され表示されるものである。 上記のような手順で保存した場合は、警告を無視しても実害はない。

    [参考1] 上記ではExcel の標準形式(*.xls)と テキスト形式(*.prn)の 2通りの保存方法を紹介したが、 今後とも両方の形式で保存しておくことを勧める。
    上記で指摘したように、列幅が足らない状態でテキスト形式の保存を行なうと、 ファイル上で隣同士のセルがくっついてしまい、 以後手作業を行わないと分離できなくなってしまうからである。 Excel の標準形式で保存してあれば、 このファイルを使って幅を再修正し、テキスト形式で再保存することが可能となる。 逆に、テキスト形式だけだと、このような再修正は不可能である。
    [参考2] テキスト形式(*.prn)で保存後に、 これを直接編集したい場合は、Excel を使わずともテキストエディタ(秀丸、 NotePad 等)を使えば加工できる。
    [参考3] H: ドライブは電源を切ると内容が消えてしまう。 バックアップ用に FD や MO 等を利用すること。 また、メールに添付したり、stat システムに転送してしまう(後述)という手もある。
    [参考4] SAS に読み込ませるデータの形式として、 「スペース区切り」以外に「タブ区切り」、「カンマ区切り(CSV 形式)」等も 利用可能であるが、これらについては後日紹介する。

  4. データ転送(送信) : FFFTP を使ったファイルの送受信
    MNC では、漢字コード変換を含むファイルの送受信ツールとして FFFTP が用意されているので、このソフトウェアの使い方を説明する。 なお、これはフリーソフトウェアであるので、自宅から使うような場合は 各自のパソコンにインストールしておくとよいであろう。
    1. [背景] 漢字コードについて
      漢字コードには幾つかの体系があって、異なったコード体系間では 変換を行わないと正常には読み出せない。
      Windows マシンで利用される漢字コードは、 「Shift-JISコード」に固定されているため、この様な混乱は少ない。 しかし、stat システムを含む UNIX マシンの場合は、 「EUC コード」や「JIS コード」が使われることが多く、 Windows マシンとデータを共有しようとすると、 漢字コードの変換を頭に入れて、 適宜変換しながら利用する必要がある。
      • Windows マシン : Shift-JIS コード
      • UNIX マシン : EUC コード, JIS コード

      stat システム上の SAS に関して言えば、SAS の出力中の日本語は 「EUC コード」を使って表現されているので、 SAS の「計算結果」を Windows マシンに転送する時には、 「EUC コード」を「Shift-JIS コード」に変換する必要が生じる。
      また同様の理由で、ファイル名に漢字を使うのは避けるべきである。

    2. 操作手順
      1. 転送プログラム(FFFTP)の起動
        「スタート」→「プログラム(P)」→「stat システム」→「FFFTP」とクリックする。
      2. ホスト「stat-system」を選択し「接続」ボタンをクリックする。
      3. stat システム用の「ユーザー名 :」を入力する。
      4. stat システム用の「パスワード :」を入力する。
      5. 画面の左半分は Windows 側を、 右半分は stat システム側のファイルを表示している。
      6. 転送元のドライブ、ファイルを指定する。
      7. 転送モードには 3種類ある。
        • 「A」は ASCII モード(文字型用、行末コード処理機能を利用する)
        • 「B」は Binary モード(非文字型用、行末コード処理機能を利用しない)
        • 「A/B」は ファイルの拡張子によって自動判定
      8. 漢字コードには 2種類ある。
        • 「EUC」は UNIX 側の漢字コードが EUC コード
        • 「JIS」は UNIX 側の漢字コードが JIS コード
        • 「無」は無変換
      9. ファイルを選択すると、左上にある灰色だった矢印キーが 青に変わってクリック可能となる。このキーで送受信を指定する。
        • 送信 : 上向き矢印、アップロード、Windows から stat システムへ
        • 受信 : 下向き矢印、ダウンロード、stat システムから Winodws へ
      10. 終了は「接続(F)」→「終了(X)」をクリックする。

    [Lesson 4-2] : ファイルの転送: Windows ===> stat システム(UNIX)

    [参考5] テキスト形式のファイル(*.prn)の場合は、 「ASCII モード」で転送したが、Excel 形式のファイル(*.xls)の場合は、 「Binary モード」で転送しないとファイルが壊れてしまう。
    [参考6] 漢字を含まないファイルの転送であれば、 WS_FTP32 と言うソフトを使うこともできるが、 FFFTP を使えるのであれば敢えて両方を知っておく必要はないと思うので、 ここでは取り扱わない。詳しく知りたい場合は、NMC セミナー用テキストの「 WS_FTP32を使ったファイルの転送 」の項を参照のこと

    [補足] 学外から FFFTP を使ってファイルの転送を行なう場合には、 [設定変更]の[拡張]タブ内にある「セキュリティ(Q)」を「使用しない」に 設定する必要がある。

  5. 転送されたデータの表示 : 確認のため。簡単な UNIX コマンド
    1. stat システムにログイン
      「スタート」→「プログラム(P)」→「stat システム」→「stat1」とクリックする。 (stat1 と 2, 3 はどれでも対等。混み具合いによって各自の判断で変更してよい)。
    2. 「login:」、「Password:」と表示されるので、 それぞれ個人のIDとパスワードを入力する。 なお、パスワードはセキュリティの都合上、画面には表示されない。
    3. UNIX の初歩的なコマンド
      • ファイル名一覧の表示 : ls
      • ファイルの内容の表示 : less [filename]
        [操作方法] スペースキーで次ページ、b で前ページ、q で終了
      • ログアウト : logout

      • (コマンドラインの入力支援 : tcsh)
        • exit で終了
        • ログイン後、最初に1回だけ実行しておくと exit を実行するまで利用できる。

    [Lesson 4-3] : 転送されたファイルの確認
    転送したファイルが実際に存在し、ファイル内容も正しいことを確認せよ。

  6. データをファイルから読み込む : プログラムとデータの分離
    データが追加されたり、別クラスのデータを解析したくなったら??
    : データをファイルから読み込んで処理しよう
    : 大量データや定型的な処理に有効
    [Lesson 4-4] : 前項で作成したデータをファイルから読み込んで変量の平均値を求めてみよう。 なお、ファイル名は各自で命名したものを指定せよ。 ここでは「naikaku0310.prn」という名前で説明する。

    1. 新しいプログラムを作る時にはまず現在のプログラムを消去
      Program Editorエリアのコマンド行で : [入力] clear
    2. プログラム : les0404.sas
     /* Lesson 4-4 */                               :
     /*    File Name = les0404.sas   10/28/04   */  :
                                                    :
    data naikaku;                                   : データ名の定義
      infile 'naikaku0310.prn'                      : ファイル名の指定
        firstobs=2;                                 : 数値は 2行目から入っている
      input name $ posit $ sex $ tochi              : 読み込む変量名
    ;                                               : 終りを示すセミコロン
    proc print data=naikaku;                        : データの表示
    run;                                            :
    proc means data=naikaku;                        : 平均、標準偏差、最大最小値の算出
    run;                                            :
    
    1. 出力結果、計算結果 : les0404.lst
      • 画面の移動には BACKward, FORWard, TOP, BOTtom コマンドを使う。
      • 意図通りにファイルからデータが読み込まれていることを確認せよ。
                                    SAS システム                             1
                                               20:19 Tuesday, October 26, 2004
                    OBS    NAME         POSIT      SEX    TOCHI
      
                      1    Koizumi     Kakuryou     M     10743
                      2    Aso         Kakuryou     M     37772
                      3    Nozawa      Kakuryou     M      2315
                      4    Kawaguch    Kakuryou     F      2266
                      5    Kawamura    Kakuryou     M      6268
                      6    Sakaguch    Kakuryou     M       451
                      7    Nakagawa    Kakuryou     M      2915
                      8    Ishihara    Kakuryou     M      2346
                      9    Koike       Kakuryou     F      1393
                     10    Fukuda      Kakuryou     M      6036
                     11    Ono         Kakuryou     F      2005
                     12    Mogi        Kakuryou     M       688
                     13    Takenaka    Kakuryou     M      3122
                     14    Kaneko      Kakuryou     M      2859
                     15    Inoue       Kakuryou     M      5464
      <中略>
                       58    Satou       Seimu     M       667
                       59    Saitou      Seimu     M      3213
                       60    Sunada      Seimu     M      5433
      
                                    SAS システム                             5
                                               20:19 Tuesday, October 26, 2004
             Analysis Variable : TOCHI
      
              N          Mean       Std Dev       Minimum       Maximum
             ----------------------------------------------------------
             60       4077.17       6398.74             0      37772.00
             ----------------------------------------------------------
      
    2. プログラムの保存 :
      Program Editorエリアのコマンド行でプログラムを recall 後 : [入力] file 'les0404.sas'

  7. プログラムの改良 : 入力済みのものを有効利用 : コピー、挿入、削除、...

    1. 今までのプログラムを活用 : les0405.sas
     /* Lesson 4-5 */                                      
     /*    File Name = les0405.sas   10/28/04   */
                                                           
    data naikaku;                                          
      infile 'naikaku0310.prn'
        firstobs=2;
      input name $10. posit $ sex $ tochi            : 文字列長の指定方法
            yotyokin total honnin kasituke kariire   : 長い場合は 2行に
    ;
    proc print data=naikaku;
    run;
    proc means data=naikaku;
      var total;                                     : 平均を求める変量を指定
    run;
    
    proc chart data=naikaku;                         : ヒストグラムを描く
      hbar total;                                    : 水平棒グラフで。変量を指定
      vbar total;                                    : 垂直棒グラフで。変量を指定
    run;
    
    1. 編集コマンド : 行コマンド (MNCセミナー用テキスト)、 前回の配布資料参照
      • [Ctrl]+[X] : インサートモード
      • i : 行挿入

      • cc : 領域コピー(コピーしたいところを囲む)
      • b : 当該行の前(before)に挿入
      • c : 一行コピー

      • a : 当該行の後ろ(after)に挿入
      • d : 一行削除
      • dd : 領域削除

    2. 出力結果 : les0405.lst : 以下掲載分には一部省略あり
      
                                    SAS システム                             5
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
             Analysis Variable : TOTAL
      
              N          Mean       Std Dev       Minimum       Maximum
             ----------------------------------------------------------
             60       5761.28       7444.75             0      45522.00
             ----------------------------------------------------------
      
                                    SAS システム                             6
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
         TOTAL                                       Cum.              Cum.
        Midpoint                               Freq  Freq  Percent  Percent
                 |
          4000   |***************************    53    53    88.33    88.33
         12000   |**                              3    56     5.00    93.33
         20000   |*                               1    57     1.67    95.00
         28000   |*                               2    59     3.33    98.33
         36000   |                                0    59     0.00    98.33
         44000   |*                               1    60     1.67   100.00
                 |
                 -----+----+----+----+----+--
                      10   20   30   40   50
                           Frequency
      
                                    SAS システム                             7
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
       Frequency
          |     *****                                                         
       50 +     *****                                                         
          |     *****                                                         
       40 +     *****                                                         
          |     *****                                                         
       30 +     *****                                                         
          |     *****                                                         
       20 +     *****                                                         
          |     *****                                                         
       10 +     *****                                                         
          |     *****     *****                                               
          ------------------------------------------------------------------
                 4000     12000     20000     28000     36000     44000
                                    TOTAL Midpoint
      
    3. 出力からの知見 :
      • 入力した全変量が正しく読み込まれているか?
      • 氏名は切れずに読み込まれているか?
      • ヒストグラム(度数分布)からデータの分布状況を判断する
      • 平均値はヒストグラムのどこに位置するか?
      • 累積頻度や累積割合が表示されるのは横棒グラフだけ
      • ...

    4. プログラムの保存 :
      Program Editorエリアのコマンド行でプログラムを recall 後 : [入力] file 'les0405.sas'

  8. 再度改良

    1. 今までのプログラムに追加 : les0406.sas
     /* Lesson 4-6 */
     /*    File Name = les0406.sas   10/28/04   */
    
    data naikaku;
      infile 'naikaku0310.prn'
        firstobs=2;
      input name $10. posit $ sex $ tochi 
            yotyokin total honnin kasituke kariire
    ;
    proc print data=naikaku(obs=5);              : 先頭の 5ケースだけを表示。確認用
    run;
    proc means data=naikaku;
      var total;
    run;
    
    proc chart data=naikaku;
      hbar total;
      vbar total;
    run;
    
    proc chart data=naikaku;
      hbar total / midpoints= 5000 to 50000 by  5000;        : 軸の値を指定
      vbar total / midpoints=10000 to 50000 by 10000;        : 軸の値を指定
    run;
    
    1. 編集コマンドを駆使せよ

    2. 出力結果 : les0406.lst : 以下掲載分には一部省略あり
                                    SAS システム                             1
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
      OBS NAME       POSIT   SEX TOCHI YOTYOKIN TOTAL HONNIN KASITUKE KARIIRE
      
        1 Koizumi   Kakuryou  M  10743    2360  13103  13103       0       0 
        2 Aso       Kakuryou  M  37772    7750  45522  40273   20100    2000 
        3 Nozawa    Kakuryou  M   2315    2114   4429   2912       0       0 
        4 Kawaguchi Kakuryou  F   2266   14330  16596  11344       0       0 
        5 Kawamura  Kakuryou  M   6268    2228   8496   5872       0    1000 
      
                                    SAS システム                             2
                                                 11:22 Wednesday, May 12, 2004
             Analysis Variable : TOTAL
      
              N          Mean       Std Dev       Minimum       Maximum
             ----------------------------------------------------------
             60       5761.28       7444.75             0      45522.00
             ----------------------------------------------------------
      <中略>
                                    SAS システム                             5
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
          TOTAL                                     Cum.              Cum.
         Midpoint                             Freq  Freq  Percent  Percent
                  |
           5000   |*************************    49    49    81.67    81.67
          10000   |***                           6    55    10.00    91.67
          15000   |*                             2    57     3.33    95.00
          20000   |                              0    57     0.00    95.00
          25000   |*                             1    58     1.67    96.67
          30000   |*                             1    59     1.67    98.33
          35000   |                              0    59     0.00    98.33
          40000   |                              0    59     0.00    98.33
          45000   |*                             1    60     1.67   100.00
          50000   |                              0    60     0.00   100.00
                  |
                  -----+----+----+----+----+
                       10   20   30   40   50
      
                                    SAS システム                             6
                                               20:20 Tuesday, October 26, 2004
      Frequency
         |       *****                                                        
      45 +       *****                                                        
         |       *****                                                        
      30 +       *****                                                        
         |       *****                                                        
      15 +       *****                                                        
         |       *****                                                        
         --------------------------------------------------------------------
                 10000       20000       30000       40000       50000
                                    TOTAL Midpoint
      
    3. 出力からの知見 :
      • 入力した全変量が正しく読み込まれているかを先頭 5ケースで確認
      • ヒストグラムの区切り幅を換えると分布のイメージが変化する
      • 平均値はヒストグラムのどこに位置するか?
      • 平均値が分布形状を想像するに足る情報であろうか?
        • 対称分布の場合だけ
        • それでも広がりは判らない
      • ...

    4. プログラムの保存 :
      Program Editorエリアのコマンド行でプログラムを recall 後 : [入力] file 'les0406.sas'

  9. 出力結果の保存と転送 : Outputエリアの内容をファイルに保存して転送
    解析結果を活用するため : 印刷、レポート、...
    1. プログラムを実行(SUBmit)する前に、
      Outputエリアの過去の記録を消去しておく: [入力] clear
      こ の処理をしておかないと、過去の全ての(不要な、多大な)記録が全部保存される
    2. 出力結果の保存 :
      Outputエリアのコマンド行で : [入力] file 'les0406.lst'
      プログラムの保存と同じコマンドだが、保存対象が異なる
    3. 各種エリアの保存や呼び出しについては、以後、いちいち指示しない。 各自で判断してほしい。
    4. Windows 側に転送して、レポート作成に利用。

    [Lesson 4-7] : Windows 側で読み出せるか、実際に転送してみよ。

    • 転送の際は、転送モード(ASCII)、文字コード(EUC)に注意すること。

    • 印刷するだけなら、「H:」ドライブ辺りに転送して メモ帳や MS-Word (や秀丸等のエディタ等)に読みこんで印刷。 ファイル名の拡張子(.sas、.lst等)に注意しないと見つけられない。
    • 印刷の仕方等については、「PC・ネットワーク利用ガイド」を参照のこと。
    • 手元に保存しておきたいのなら、FD や MO 等にバックアップを取る。

  10. 次回は、... : 11月04日 14:45
    • 今回終えられなかった部分
    • 基礎統計量、グループ毎の統計量、...
    • 興味あるデータの特性を明らかにしていこう
      • 皆さんのデータを使った解析 : 各自のデータを解析してみよう
      • ファイル名は各自で命名し、記録しておくように
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