因子分析(前回の続き)とアンケート調査

統計モデル解析特論I/II : 第06回 (11/06/18)

 前回、次元縮約を目的とした統計手法として、 主成分分析(Principal Component Analysis, PCA)と 因子分析(Factor Analysis, FA)があることを紹介した。 両者は似た目的に使われるが、元になっている考え方は異なるので 場面に応じて注意して利用して欲しい。
 今回は前回やり残した部分を説明した後、 アンケート調査の手順とその実際を紹介する。

 ● 目次: 主成分分析と因子分析 : 次元の縮約手法  [第05回の資料へジャンプ]
   1.  2変量の場合の主成分分析 : 理解を助けるため
   2.  3変量以上の主成分分析
   3.  相関行列を使う理由
   4.  主成分の数の決定基準 : 配布資料 80ページ
   5.  因子分析
   6.  [例題1] 食品の嗜好性を探ってみよう
   7.  [例題2] 趣味の特性を探ってみよう
   8.  因子数の決定基準
   9.  主成分分析(PCA)と因子分析(FA): 目的は同じでも異なる手法
   10.  同じデータを両手法に適用して、その共通性と違いを体験してみよう
   11.  読み物


  1. アンケート調査とその解析例 :
     調査を実施する際の作業内容を手順を追って列挙してみる。
    1. 設計
      • 設計の善し悪しによって得られる結果の質も変わる
      • 調査の動機付け : なぜその調査を実施したいのか?
      • 調査の目的を明確に : 何を知りたいのか?
      • 調査対象者の選定 : 規模、予算、...
      • 調査対象分野の熟知度合い : 勉強
      • 予想される回答を想定して設計すべき
      • 回答のし易さ
      • 質問項目や選択肢の吟味
      • 偏りの少ない調査 : 対象集団、調査方法、...
      • 予備調査の実施
      • 解析方法も事前に想定しておく
    2. 調査と回収
      • 方法 : 面接、電話、郵送、Web、...
      • 回収率 : 事前に最低ラインは設定しておくべき
      • 場合によっては対象者を追加
    3. 電子化とスクリーニング
      • 「人間は間違う動物」
      • ノイズや入力ミスを見つけ出し修正 : ピュアなデータにする
      • 単純集計やクロス集計が威力を発揮する
      • 体力が要るがサボってはいけない
      • スクリーニングが不完全だと解析結果に影響する
    4. 解析
      • いろいろな角度からの吟味
      • 各種の統計手法を駆使
      • 過去の経験
      • 予想に反した結果も多いにあり得る
      • データを加工する(データ変容)の必要性も
      • 「道具(統計ソフト等)」や「機械」に使われないように
    5. 結果の公表
      • 報告書、論文の作成
      • 学会発表 : プレゼン技術
      • 今後の方針、フィードバック

  2. ちょっとした話題: 法科大学院適性試験の対応表

  3. 次回は、... : 11月13日 16:20-17:50
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