DJ-1000 vs. Allegretto PDR-2 : 三菱 DJ-1000 と東芝 Allegretto PDR-2 の比較

知人が三菱のデジカメ DJ-1000 を購入したので(T-Zone が販売)、少し使わせてもらいました(本人より先に)。同じ試用するならと、同様の目的に使うであろう(私が持っている) 東芝の Allegretto PDR-2 と比較しながら使ってみました。このページではこの過程で気付いたことを掲載します。

記憶媒体とバッテリー
DJ-1000 はコンパクトフラッシュカードに独自形式のファイルが保存される。 128KByte/枚。2MByte で 15枚。画面サイズは 320x240 ドット。
Allegretto は Smart Media に jpg 形式のファイルに保存される。 75KByte 前後/枚。2MByte で 24枚。画面サイズは 640x480 ドット(Fine の場合)。
バッテリーの持ちはどうであろうか? DJ-1000 のカタログでは 100枚だそうである。 Allegretto は 500枚と言われているが使ってみた感じでは相当に持つ。ただし、DJ-1000 は単４電池 2本なのでどこでも入手可能であろう。 Allegretto は CR123A というカメラ用の寸胴なものなので、事前に購入しておく等の対策が必要である。
カメラの使用感
どちらもファインダーが大雑把なので、撮りたい物だけを画像に嵌め込むにはそれなりの練習が要るであろう。特に DJ-1000 は狭角のようで、ファインダーの中央部分の 50% 前後が撮られると思っておいた方が良さそうである。また、両者の焦点距離の違いから、同じ物を納める場合には、 DJ-1000 の方が後ろに下がって撮る必要があった。よって、最後に挙げたサンプル画像は 2～3回距離を変えて撮影後、一番狙いに合ったものを採用している。
撮影にはボタンを押すだけだが、何時の段階で撮っているのかがあまりはっきりしなかった。つまり、ボタンを押すと、赤い LED がつくのであるが押し続けている限り消えないように思われ、離すとしばらくして消える。指を離した時に撮影しているのであろうか?
その点、Allegretto はデジカメなのに「カチっ」と音がして、画像も少し揺れる。これはこれで変なのだが、何時撮ったかは判断しやすい。
書き込み時間は 3秒前後で両者に大差はない。連写はむりである。
JD-1000 を使っていて困ったのは、画像の消去が本体ではできないことである。消去は付属のアプリで Windows 側から行わないといけないということは、撮影現場でメモリー不足に陥っても、コンパクトフラッシュカードを交換する以外に手がないと言うことである。その点、Allegretto は直前の一枚か全体を消去するボタンがあるので助かる。
いずれも撮った画面をその場で確認できないという、デジカメよりはフイルムカメラに近い仕様であるため、画像を消すということもあっさりと諦めてもらおうと考えたのかもしれないが、コンパクトフラッシュカードのスペアを持ってないと辛いかもしれない。
画像の取り出し
どちらもアダプタを通すなどすれば、PCMCIA 形式のメモリーカードとしてパソコンからは認識できる。認識されるとファイルが保存されているのが判る。
DJ-1000 は独自形式のファイル(mdsc*.dat)であるので、Windows の読み出しソフト DJ-1000Viewer を使って変換する必要がある。しかし、変換されるフォーマットが bmp 一種類しかないため、ファイルサイズ等の利点から、 jpg で保存している者にとっては、再度変換する必要がある。
また、ソフトの使い方が悪いのかもしれないが、サムネイル形式での呼出しはあるものの、一括しての変換がないようで、いちいち読み出しては(bmp ファイルに)保存するという手順が煩雑に思われた。
その点、Allegretto は jpg 形式(tof*.jpg)なので、スムーズに取り扱える。ただ、本来は色補正等の意味で、付属のソフトを通した方が良いようにも思うが、そうすると画質が悪くなるように感じるので、最近は加工せずに使っている。
画質
カメラと言えば画質が大きな評価基準となるであろう。今回は、元の素材を判断してもらうために、Olympus C-800L の画像も加えてこれらを比較した。C-800L の画質と色の再現性は忠実であると私は思っている。 81万画素 1/3インチ CCD のデジカメだから、今となっては見劣りするスペックだが記憶(思い出)を補佐する目的の画像としてはこのぐらいの解像度で十分なように思っている。
そこで、DJ-1000 であるが、画像が小さいせいか、あまり粗は目立たない。色の再現性としては地味目に表現されているようである。果物の表面等のツルツルした表面はテカテカに見える。画面の端までケラレは見受けられない。
その点、Allegretto は派手目でしかも赤身がかって表現される。また、全体的にシャープさに欠た画像になる。カードモデムの表面に記載されている黒い文字は存在自身がバックの色によって掻き消されている感じである。しかも、画像の周辺部分はピントがぼけたような、甘い画像になってしまう。
使用場面
その場の雰囲気を伝えるためのお手軽カメラとしてどちらも使える。ただ、暗いところではフラッシュがないので活躍できそうもない。
まだ試していないが、文章や記事と言った文字をメモ代わりに記録することができるであろうか? Allegretto にはそれ用の接写レンズが配布されたのだが、 DJ-1000 にはそのような付加的なレンズはなさそうである。
(この後、続く。乞うご期待。予定としては、新聞の接写と晴天下での撮影)

サイズ、形状の比較

前面の比較。ポケットに入るサイズとしてどちらも小さい。
背面の比較。ファインダー以外何もないといった感じ。
上面の比較。DJ-1000 のボタンの少なさには驚かされる。

画像サンプル

三菱 DJ-1000(320x240) [オリジナル画像]
東芝 Allegretto PDR-2(Fine モード、640x480) [オリジナル画像]
Olympus C-800L(ハイレゾ、1024x768) [オリジナル画像]
Olympus C-800L(ローレゾ、512x384) [オリジナル画像]

[4月13日掲載]
左側が三菱 DJ-1000、右側が東芝 Allegretto PDR-2 で撮った画像です。通勤経路の途上にて見かけたものを撮ってみました。基本的には同じ位置から同じ被写体にカメラを向けました。ですので、画角が異なるのが判ると思います。撮影状況等は各々に付けておきます。また、各画像をクリックすると、オリジナル画像(320x240 or 640x480)を見ることができます。

[4月14日掲載]
三菱 DJ-1000 には 504x378 という画像も生成できると言うことで、作成後(後述)、昨日のサムネイルの右側に掲載しました。

テーブル形式で配置してみました(ハッキリ言って**面倒だ!!**)
機種	DJ-1000		Allegretto
元画像サイズ	320x240	504x378	640x480
住宅街。逆光気味です		[504x378 画像]
住宅街。順光です		[504x378 画像]
散りかけた桜の木です。薄曇りの逆光気味です		[504x378 画像]
同じく散りかけた桜の木です。こちらは順光です	[撮り損ね]	[なし]
順光の花壇の花(パンジー)		[504x378 画像]
線路と電車。順光気味です		[504x378 画像]
逆光気味の花壇の花(パンジー)		[504x378 画像]
線路と電車。順光気味です		[504x378 画像]
逆光の町の風景		[504x378 画像]
線路と電車。順光気味です		[504x378 画像]	[撮り損ね]
薄曇りの順光の町の風景		[504x378 画像]
太陽光線の入らない電車のホーム。(このカットのみ立っている位置が異なっている。電車が到着して乗客が降りてきたため。)		[504x378 画像]
上のホームの画像にガンマ補正をかけた DJ-1000 の画像(後述)		[504x378 画像]	[なし]
ホーム中程の軒の下にある時刻表。Allegretto の水平決めが難しいことを示す画像でもある		[504x378 画像]
薄曇りの順光の掲示板のポスター		[504x378 画像]

[4月13日のコメント] : 以下のコメントはそのうちに上にまとめますが、昨日から読んでいる人(誰だ??)にとって加筆部分が判り易い方が良いだろうと判断して、しばらくは追加の形で書き込んでいきます。

起動時間を考慮しよう
スイッチをオンにしてから撮れる状態になるまで、ふた呼吸以上かかるように感じる。動きのあるものを撮ろうと思ったら事前にスイッチを入れておく必要がある。
2MB メモリー一枚だけでは少ないかも
カタログには 2MB で 15枚撮れるとあるのに、実際は 14枚しか撮れない。不思議である。なおかつ、14枚は少ないと思う。試行錯誤的に何枚か撮って取捨選択できるのがデジカメの良いところだと思うので、より容量の大きいメモリーカードを準備しておいた方が良さそうである。
また、慣れのせいだろうが、残り枚数が正確に把握できないので、あらかじめ撮りたいシーンの計画を立てておかないと、メモリーが足らなくなる可能性がある(実際に不足した)。現場でメモリーの消去ができないのも、この欠点を助長している。
いつ撮れたかが判りにくい
いまだにいつのシーンがメモリーに取り込まれているのかが判らない。どうも指を離した時のようではあるが、この感覚は通常のカメラとは異なるので、慣れが必要であろう。特に流し撮りをしたいときには予行演習が要るように思う。
シャッターボタンを押し込んだときにファインダーの右側の上の LED が赤く灯るのだが、それが視野に入りにくいぐらいファインダーから離れているので、押している状態になったことが判断できずに、指を離してしまって撮り損ねたシーンがあった。ファインダー内だけでなく、右側の二つの LED にも注意をはらえる目線の確保が必要である。
暗いところは修正することによって対応可能かも
判りきっていることではあるが、改めてホームでの写真を見てそう感じた。ただ、ガンマ補正を行うことによって、かなり良質の画像を得ることができるので、編集をいとわなければ撮影できると言っても良いのではないだろうか? (上の修整後の画像を参照のこと)。この点、Allegretto は補正をかけると白らんだ画像になってしまい、あまり実用に耐えるとはいえないのとは異にしている。
一括変換が可能になった Ver.2.1
添付されてきた FD には、DJ-1000Viewer Ver.1.1 が入っていたが、亜土電子のサポートページから Ver.2.1 がダウンロードできることが判明した。そこで早速試してみたところ、昨日の不満は見事に解消されていた。つまり、「一括変換」と「jpg への変換」がサポートされていたのである。圧縮率も指定することが可能であった。ただ、変換には少し時間がかかる。しかし「今までの二段階変換」に比べればはるかに操作性が良くなって使う気にさせてくれる。ヘルプのバージョン情報で表示されるウインドウ上の表示が「Ver.2.0J」となっているのは愛敬であろう。

[4月14日掲載]
三菱 DJ-1000 では 504x378 という画像も得られるという情報を得たので、調べてみたところ...。

504x378 画像が得られると言うが...
見落としていたのだが、マニュアルの機能表の中には、解像度が 320x240 以外に 504x378 画像も記載されていた。しかし、機械の操作として解像度が変えられるとの記述はどこにもなかった。と言うことで、読み出しソフト DJ-1000Viewer を調べたところ、 [表示]-[解像度] の中で指定できるらしいことが判った。しかしこの [表示] メニューが現れない。結局、画像を 320x240 で開いた後ならこのメニューが現れることが解った。だが、サムネイルから開くときや、一括変換では指定できないので、一枚一枚開いては解像度を指定しなおして保存する(jpg も可)という、手順を踏むしかないようである。これは変換時間もかかり、操作的にもすごく煩雑で、実用にはちょっと無理があるようにも思う。
さて、得られる画像の画質だが、私の感覚的には両者に差はないように思う。なので、写った文字を判読するというような目的であれば、文字が大きくなっている分、320x240 の画像よりは実用になるのではないだろうか? 実際、320x240 の画像をレタッチソフトで 504x378 に引き延ばすのとは明らかに画質が異なっているので、内部データから何らかのアルゴリズムで高解像度の画質を生成しているように思われる。 2種類の同等の画像が得られるという点から判断すると、一括変換機能も含めて、デフォルトで高解像度の画像が得られるように設定しておいても良かったように思うのだが。
なお、蛇足だが、高解像度画面の中途半端なドット数は何に由来するのであろうか? CCD のハードスペックから、より忠実に再生するサイズなのかとも想像しているのだが、本当のところが知りたいものである。

[4月15日掲載]
晴天下の景色です。なるべく順光になるようなシーンを選んでみました。

機種	DJ-1000		Allegretto
元画像サイズ	320x240	504x378	640x480
生け垣の新緑。順光です		[504x378 画像]
晴天の裏通り。順光です		[504x378 画像]
ビル街とカラフルな看板。順光です		[504x378 画像]
公園の向うに銀色に輝く体育館の屋根。順光です		[504x378 画像]
薄曇りの住宅街。順光気味です		[504x378 画像]
薄曇りの住宅街。散りかけの桜も。順光気味です		[504x378 画像]
薄曇りの住宅街。順光です		[504x378 画像]

[4月15日のコメント] : 以下のコメントはそのうちに上にまとめますが、毎日読んでいる人(誰だ??)にとって加筆部分が判り易い方が良いだろうと判断して、しばらくは追加の形で書き込んでいきます。

慣れてきたぞ
画角が判りにくいと思っていたが、コツを掴めばそれなりに使えるファインダーだと思えてきた。それは、目を背面にピッタリ付けるのではなく心持ち離して、 LED も含めて視野に入れるようにすることである。こうすればシャッターが押されているかも判断しやすいし一石二鳥。これが正式かどうかは判らないがこう言う方法もあるというと言うことでご紹介。
使えるカメラだ
観賞用の写真を撮るのが目的ではないこの手のカメラは、携帯性が重要視される。その点、DJ-1000 は通勤ラジオと同じサイズでポケットにすっぽりと納まって、どこへでも手軽に持って行ける点で満足できる。撮られた画像もやや地味な発色ではあるが、記録として残すのであれば、それほど致命的な欠点にはならない。と言うことで、「コンパクトなメモ用カメラ」として、このカメラを使えば、十分その目的を達成してくれるであろう。今後、各オーナーのユニークな使い方の紹介が楽しみでもある。

DJ-1000 vs. Allegretto PDR-2 : 三菱 DJ-1000 と東芝 Allegretto PDR-2 の比較

サイズ、形状の比較

画像サンプル

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