230728 論理的記述力科研集会 @宮城教育大学

  1. 林の考える「論理的記述力の獲得方策」: 日頃考えていること
    1. 当該事項に興味を持つこと
    2. 観察力、好奇心
    3. 考えること、考え続ける姿勢 <=== ●前回(03/30/23)
      • 自分のこととして考える
    4. より思考力の高い人(魅力的な人・賢者)と議論すること=聞くこと、読むこと
      • 相手をリスペクトする
    5. 書くこと、話すこと <=== ●前回(03/30/23)
    6. 添削 <=== ●今回取り上げる話題

  2. 【文献1】清水 義範、「清水義範の作文教室」、早川書房 (1995/7/1)
    • 第一講 なぜつまらない作文を書くのか
    • 第二講 とにかくほめて楽しくさせる
    • 第三講 何を書いてもいいんだよ
    • 第四講 気を長くもたなければならない
    • 第五講 読書感想文の愚
    • 第六講 工夫を認め、悪ノリをゆるす
    • 第七講 テレビ騒動に気をもむ
    • 第八講 私が得ているものも大きい
    • 第九講 作文がうまくなれば頭がよくなる
    • 第十講 我が反省・遺伝子にあわせて指導する

    1. 作文教室: 小学生対象、少人数、塾の一コマとして
      • 緩い題を与えて(もしくは各自で設定して)、添削して返却する活動

    2. 添削の方針 ===> 楽しんでもらうことを優先
      • 褒める (P46-)
      • 肉付けをアドバイスする。[例]どのように面白かった・楽しかったのか等
      • 記述内容の良し悪しには触れない。(P135)
      • 書き方のルールを厳格には適用しない。

    3. 書き手(小学生)と指導者の往復行為
      • 読み手に伝わるか、読み手に同感させられるか
      • 作文の動機づけ、楽しみと支援
      • 元々生徒には書く動機付けがない。<=== 【私見】どう醸成する/できるか が重要なのではないか?
      • 作文は良いことを書かなければならないという思い込み (P28)
      • 教員からの寸評(「そそのかしてでも」)を動機付けにして (P137)

      • 思い込み: 開放する働きかけが必要
        • 「作文にはいいことを書かなきゃいけない」という思い込みを小学生に植え付けている
          • いい作文の呪縛から子供たちを解きはなちたい(P135)
        • 「良い子」を演じることを暗黙的に求めている。

    4. 第五講 読書感想文の愚 (P109-)

    5. 第九講 作文がうまくなれば頭がよくなる (P193-)
      • 大学入試への批判
        • 国語力とはあまり関係ない (P194)
        • 論理的思考力や説明力、描写力等は、作文からうかがえる。(P195)
        • 採点の実現姓、公平性が困難なことは理解しているが。
      • うまく作文指導ができるならば、とてもいい国語教育だ。
      • 適切な指導をしてあげれば、眠っている子供たちの目を覚まさせることができる。
      • 「適切な指導」とはどういう活動を指すのか?
        • 記載内容への干渉はしない(P197)
        • 大人の反応を伝えてやる
        • 書いてよかったとおもわせる、やる気が出るようなコメントを返す(P197)

      • 【私見】「作文がうまくなれば頭がよくなる」はホントかな?

    6. 第十講 我が反省・遺伝子にあわせて指導する (P201-)
      • この教室の目的: 自分の気持ちを、かまえずに楽しく表現する (P201)
      • 事象の説明に加えて「その時どう感じたか」も書くように (P204)
      • 一方で、「何がどういう原理で起こったか」に関心を示す生徒(科学的観察者)もいる (P204) ===> 見事な観察文や、報告書を書かせるのでも良いのではないか。無理強いしない。
      • 「天性にないこと」は引き出せない。
      • 「みんな同じ方向に引っ張りあげることではない」。

      • 【私見】一律に評価できなくなる、採点ができなくなる論拠となってしまいはしないか。

  3. 【文献2】本多 勝一、「【新版】日本語の作文技術」、朝日新聞出版 (2015/12/7)
    • 第一章 なぜ作文の「技術」か (24)
    • 第二章 修飾する側とされる側 (20)
    • 第三章 修飾の順序 (39)
    • 第四章 句読点のうちかた (70)
    • 第五章 漢字とカナの心理 (17)
    • 第六章 助詞の使い方 (66)
    • 第七章 段落 (13)
    • 第八章 無神経な文章 (35)
    • 第九章 リズムと文体 (24)       ※カッコ内はページ数

    1. 本のスタイル: 例文を提示して添削しながら解説を進める。

    2. 「目的はただひとつ、読む側にとってわかりやすい文章をかくこと」(P11)
      • 技術としての「作文」(P12)
      • 作文は技術だからこそまた訓練によってだれでもができるということもいえよう。(P20)
      • 小学校で作文の基礎的技術をどれだけ教えているのだろうか (P29)

      • 例示しながら「書く技術」を解説している。

    3. 【私見】
      • 四章ぐらいまでを修得できれば十分ではないか。
      • 第八章、第九章は上級者向き。
      • 入試対策として、最低限の「技術」を教えるので十分対応できるのではないか。
      • まずは「書く行為」から始めてはどうか。題材は身近なもので十分。

  4. 考察


  5. 参考情報
    1. 国語問題研究協議会 : 文化庁

    2. 36Kr Japan 2023年7月22日

    3. 木下 是雄、「理科系の作文技術」、中央公論新社 (1981/9/22)

    4. 清水 義範、「バールのようなもの」、文藝春秋 (1995/9/1)

    5. 清水 義範、「国語入試問題必勝法 新装版」、講談社 (2020/12/15)
      • 表題に反して、入試には役に立たない本。 そのことは「あとがき」にも記載されている。
      • 国語の入試問題に関する論考には、賛同する部分も多いのだが。

    6. 新聞記事から


  6. 【余談】ChatGPTに聞いてみた
    1. 【Q】小学校4年生の夏休みの宿題に「走れメロス」の読書感想文を求められました。書いてください。

        「走れメロス」は、夏目漱石によって書かれた日本の名作短編小説です。物語は友情と犠牲のテーマを中心に展開されており、多くの感動的な要素が詰まった作品です。

        物語は、主人公であるメロスが、恩人であるセリヌンティウスのために自らの命を捧げる決意をするところから始まります。メロスは、島の独裁者であるディオニスという残酷な君主の手によってセリヌンティウスが処刑されることを知り、自らの手でセリヌンティウスを助けることを決めるのです。

        メロスの友情と犠牲の精神は非常に感動的で、彼の決意と行動力に心打たれます。彼がセリヌンティウスを救うために山を駆け抜け、途中で苦難に立ち向かう姿は、勇気と友情の尊さを教えてくれます。特に、独裁者ディオニスに立ち向かうシーンでは、メロスの心の葛藤と強さが描かれており、読む者の心に深い感銘を与えることでしょう。

        物語の結末も非常に感動的です。メロスは自らの命を捧げ、セリヌンティウスを救うことに成功しますが、その結末は悲しいものとなります。しかし、その犠牲が本物の友情を象徴していることから、読み手には敬意と感謝の念が生まれることでしょう。

        「走れメロス」は、友情や信念を持つことの大切さを教えてくれる素晴らしい作品です。メロスの勇気と友情、そして最後の犠牲によって、私たちは大切な人を守るためには自らの心を捧げることが必要なことを学びます。この物語を読んで、私たち自身が成長し、友情と犠牲の大切さを理解し、尊重することができたらと思います。

      • 【参考】走れメロス: Wikipedia

    2. 【Q】論理的な文章を書くにはどのような訓練が必要でしょうか。教えてください。

        論理的な文章を書くためには、以下のような訓練が必要です:

        1. 論理的思考の発展:論理的な文章を書くためには、論理的思考が不可欠です。情報を整理し、因果関係や前後関係を理解し、論拠を構築する能力を養うために、日常的に問題解決や論理パズルを解いたり、ディベートや討論に参加したりすることが役立ちます。

        2. 文章構造の理解:論理的な文章を書くには、適切な文章構造を理解する必要があります。導入部で問題やテーマを明確にし、本文で主張や論拠を提示し、結論部でまとめるという基本的な構造を理解しましょう。

        3. 原因と結果の関係:論理的な文章では、ある出来事が別の出来事にどのような影響を及ぼすかを理解し、その関係性を明確に表現することが重要です。原因と結果の関係を分析する訓練を行い、因果関係を正確に理解できるようにしましょう。

        4. 引用と根拠の提供:論理的な文章では、主張や意見を裏付ける根拠が重要です。信頼性のある情報源から引用する習慣を身につけ、論文や記事を読んで他者の意見を分析し、それに対して自分の意見を明確に述べられるようにしましょう。

        5. 筋道立てと段落の整理:文章を書く際には、筋道立てが重要です。段落ごとに一つのアイディアを明確にし、それらを論理的に繋げることで、読みやすく理解しやすい文章にすることができます。

        6. 練習とフィードバック:論理的な文章を書くためには継続的な練習が欠かせません。文章を書き、他の人に読んでもらい、フィードバックを受けることで、自分の文章スキルを向上させることができます。

        7. 論理的接続の使い方:文章の中で論理的接続詞や遷移表現を適切に使うことで、アイディアのつながりを明確にし、読み手がスムーズに理解できるようになります。例えば、「しかし」「したがって」「なぜなら」などの接続詞を使いこなすように心がけましょう。

        最終的には、継続的な訓練と学習によって、論理的な文章を自然に書くことができるようになります。他の優れた論理的文章を読むことや、専門家のアドバイスを聞くことも、スキル向上に役立つでしょう。


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